【完全版】特定技能「自動車整備」の受け入れ方法【要件や雇い方】

「自動車整備」分野で特定技能の在留資格を持った外国人を雇用する方法を分かり易く解説しています。この記事を見れば「自動車整備」分野での受け入れまでの流れが理解できるような内容になっていますので、ぜひご活用下さい。

行政書士

特定技能制度には、「業種共通の要件」と「業種特有の要件」が存在します。業種共通の要件とは、どの業種で雇用する場合にも適用される要件の事です。もちろん業種共通の要件はクリアしていなければ特定技能で外国人を雇う事はできません。

採用担当者

業種共通の要件はなんとなく分かりました。もう１つの業種特有の要件とはどんなモノですか？

行政書士

特定技能で外国人を雇用できる業種は、現在１４業種があります。この１４業種ごとに所管省庁が決められており、業種ごとにクリアしなければならない要件が設定されています。これが「業種特有の要件」です。

この業種特有の要件を見落とさないようにしないと、せっかく在留資格の申請をしても許可がおりない事になるので注意が必要です。

採用担当者

なるほど。では、弊社で雇用を検討している「自動車整備」分野の業種特有の要件にはどんなモノがありますか？

行政書士

では、「自動車整備」分野の業種特有の要件と、雇用までの流れを順番に説明していきます。

特定技能とは？１号・２号や技能実習生との違いやメリット

特定技能について一から知りたいという方向けの記事です。なるべくわかりやすく簡単に説明します。特定技能１号・２号と技能実習生の違いや特定技能のメリット、職種・試験・条件・種類などについて詳しく解説します。

特定技能「自動車整備」分野特有の要件（受入機関）
1. 「自動車整備」分野で特定技能外国人を働かせてＯＫな業務内容
特定技能「自動車整備」分野の技能試験（外国人本人要件）
特定技能「自動車整備」分野の技能実習生からの移行職種
１号特定技能外国人の支援
1. 自社で支援を行う場合の要件
特定技能「自動車整備」分野の協議会費用と加入方法
最後に「自動車整備」分野での受け入れまでの流れを確認！
【参考】業種別の「雇い方」や「特有の要件」の解説記事

特定技能「自動車整備」分野特有の要件（受入機関）

特定技能で働く外国人を雇用する企業に求められる「自動車整備」分野特有の要件は以下の通りです。

「自動車整備」分野特有の要件

地方運輸局長から認証を受けた「自動車分解整備事業所」で業務を行わせること。※対象とする装置の種類が限定されている事業所や、対象とする自動車の種類が二輪自動車のみの事業所でも「雇用可能」
派遣形態で就労させないこと。
「自動車整備」分野の協議会に加入すること。

特定技能の所属機関（受入機関）の要件や申請の必要書類、届出義務は？

特定技能の所属機関（受入機関）になるための要件や、入管（出入国在留管理局）への申請の必要書類を解説します。また、特定技能外国人を実際に雇った後の各種届出義務についてもご紹介しています。

「自動車整備」分野で特定技能外国人を働かせてＯＫな業務内容

主として従事させる業務

・自動車の日常点検、定期点検整備、分解整備

※大前提として、この「主として従事させる業務」をメインで外国人にさせていないと、在留資格の取消しや、不法就労助長罪（会社等にも罰則）などのトラブルになる可能性がありますので十分注意しましょう。

関連業務として従事させてＯＫな業務

・整備内容の説明及び関連部品の販売

・部品番号検索、部内発注作業

・車枠車体の整備調整作業

・ナビ、ＥＴＣ等の電装品の取付作業

・自動車板金塗装作業

・洗車作業

・下廻り塗装作業

・車内清掃作業

・構内清掃作業

・部品等運搬作業

・設備機器等清掃作業

※関連業務ばかりに従事させる事はＮＧです。

特定技能「求人情報サイト」の一覧｜募集方法や採用コストは？

特定技能で外国人を募集・採用できる求人サイトの一覧（まとめ）記事です。その他、特定技能で外国人を採用するまでの「採用コスト」や、雇用するまでの流れについての記事（業種別）へのリンクも貼っていますのでご活用ください。

特定技能「自動車整備」分野の技能試験（外国人本人要件）

「自動車整備」分野で雇用する場合、外国人は「自動車整備分野特定技能評価試験」に合格している必要があります。※「自動車整備分野特定技能評価試験」の詳細は下記リンク記事で最新の日程や試験内容をご紹介しています。

「自動車整備分野の試験」の解説記事

特定技能「自動車整備」分野の技能実習生からの移行職種

在留資格「技能実習２号」を良好に修了（３年）した外国人は、上記「自動車整備」分野の技能試験が免除されます。※免除となる為には、技能実習時代の職種と特定技能で行う職種に「関連性が必要」です。

左が技能実習時代の作業名。これを行っていた技能実習生は、右の特定技能の職種で働く場合に限り、特定技能の試験が免除されます。

技能実習時代の作業名	特定技能で試験免除になる職種名
自動車整備	自動車整備

※技能実習時代に上記以外の作業をしていた場合は、技能実習２号を良好に修了していても「自動車整備」分野の技能試験は免除にはなりませんが、日本語試験は免除されます。

１号特定技能外国人の支援

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、「各種支援」が特定技能制度で義務付けられています。この各種支援を登録支援機関に委託せず「自社で行う場合」には、以下の自社で支援を行う場合の要件が受入れ企業に求められます。

特定技能の登録支援機関とは？一覧・支援内容・申請要件

特定技能制度の登録支援機関の支援内容や登録支援機関を利用する時の費用といった「登録支援機関を利用する人向けの内容」から、登録支援機関になるための申請要件や登録支援機関は儲かるの？といった「登録支援機関になりたい人向けの内容」までを深掘り解説しています。

自社で支援を行う場合の要件

※登録支援機関に支援の全部を委託した場合は、以下の受入れ企業要件は免除されます。

自社で支援を行う場合の受入れ企業要件

２年以内に中長期在留者（就労系のビザを持った外国人）を適正に雇用した事があり、かつ、役職員の中から支援責任者と支援担当者を選任していること。
雇用する外国人が「十分理解できる言語」を話せる社員（通訳派遣も可）がいること。
支援状況に係る文書を作成し、雇用契約終了日から１年以上備えて置くこと。
支援責任者及び支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと。
５年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと。
支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその上司等に定期的な面談を実施する体制を有していること。
分野特有の基準に適合すること。

特定技能「自動車整備」分野の協議会費用と加入方法

「自動車整備」分野の協議会は、「国土交通省」のホームページから加入手続きが可能です。※以下のリンクからお手続きください。※専用の「届出書」のひな形があります。この届出書を最寄りの「地方運輸局等」に提出する流れになります。

「国土交通省」の公式サイト

「自動車整備」分野協議会の豆知識

加入費用：「自動車整備」分野の協議会の加入費用は無料です。

登録支援機関の加入義務：「自動車整備」分野の協議会は、登録支援機関の加入は「義務」です。

最後に「自動車整備」分野での受け入れまでの流れを確認！

「自動車整備」分野での受け入れ流れ

①雇用する外国人が技能試験と日本語試験をクリアしているか確認後、「特定技能雇用契約」を結ぶ。
②上記①と並行して、自社が特定技能の「受入機関の要件」とこのページの「自動車整備」分野特有の要件をクリアしているか確認。（確認方法は行政書士に聞いたり、法務省のホームページにある運用要領を読み込む）
③上記①と②をクリアしたら、外国人本人に健康診断の受診と、在留資格申請に必要な書類を用意するよう指示する。
④上記③と並行して、「支援計画書」・会社の必要書類・在留資格の申請書類を準備する。（行政書士に依頼するか自社で作成）
⑤事前ガイダンスを３時間程度かけて外国人に対して行う（自社か登録支援機関で行う）
⑥在留資格の申請を行う
⑦上記⑥が許可になれば雇用開始。※外国人が海外にいる場合は入国手続き（在外公館でのビザ申請など）→入国する空港等へのお迎え（支援義務あり）
⑧ハローワークへの届出、各種福利厚生の手続等を行う
⑨外国人に対して支援を実施※生活オリエンテーション、その他支援（自社か登録支援機関で行う）
⑩「自動車整備」分野の協議会に加入。※４カ月以内
⑪義務付けられた「届出」や「定期の面談」を行う（自社か登録支援機関で行う）

【参考】業種別の「雇い方」や「特有の要件」の解説記事

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