【完全版】特定技能「航空」の受け入れ方法【要件や雇い方】

「航空」分野で特定技能の在留資格を持った外国人を雇用する方法を分かり易く解説しています。この記事を見れば「航空」分野での受け入れまでの流れが理解できるような内容になっていますので、ぜひご活用下さい。

行政書士
行政書士

特定技能制度には、「業種共通の要件」と「業種特有の要件」が存在します。業種共通の要件とは、どの業種で雇用する場合にも適用される要件の事です。もちろん業種共通の要件はクリアしていなければ特定技能で外国人を雇う事はできません。

採用担当者
採用担当者

業種共通の要件はなんとなく分かりました。もう1つの業種特有の要件とはどんなモノですか?

行政書士
行政書士

特定技能で外国人を雇用できる業種は、現在14業種があります。この14業種ごとに所管省庁が決められており、業種ごとにクリアしなければならない要件が設定されています。これが「業種特有の要件」です。

この業種特有の要件を見落とさないようにしないと、せっかく在留資格の申請をしても許可がおりない事になるので注意が必要です。

採用担当者
採用担当者

なるほど。では、弊社で雇用を検討している「航空」分野の業種特有の要件にはどんなモノがありますか?

行政書士
行政書士

では、「航空」分野の業種特有の要件と、雇用までの流れを順番に説明していきます。

自分で申請する流れが分かる!
特定技能申請マニュアル

特定技能の申請手順に沿った内容で、初めてでも申請ができる超実践的なマニュアルです。

登録支援機関/人材紹介会社/自社で申請する企業向けのマニュアルです。

特定技能「航空」分野特有の要件(受入機関)

特定技能で働く外国人を雇用する企業に求められる「航空」分野特有の要件は以下の通りです。

「航空」分野特有の要件
  • 派遣形態で就労させないこと。
  • 「航空」分野の協議会に加入すること。
空港グランドハンドリングの要件

空港管理規則第12条第1項若しくは第12条の2第1項の承認を受けた者若しくは同規則第13条第1項の承認を受けた者若しくは同規則第12条第1項、第12条の2第1項、若しくは第13条第1項の規定に準じて定められた条例、規則その他の規定の規則に該当するものに基づき空港管理者により営業を行うことを認められた者であって、空港グランドハンドリングを営む者である事が必要。

航空機整備の要件

航空法第20条第1項第3号、第4号若しくは第7号の能力について同項の国土交通大臣の認定を受けた者若しくは当該者から業務の委託を受けた者である事が必要。

「航空」分野で特定技能外国人を働かせてOKな業務内容

主として従事させる業務

①空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)

②航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)

※大前提として、この「主として従事させる業務」をメインで外国人にさせていないと、在留資格の取消しや、不法就労助長罪(会社等にも罰則)などのトラブルになる可能性がありますので十分注意しましょう。

関連業務として従事させてOKな業務

①事務作業

②作業場所の整理整頓や清掃

③積雪時における作業場所の除雪

※関連業務ばかりに従事させる事はNGです。

特定技能「航空」分野の技能試験(外国人本人要件)

「航空」分野で雇用する場合、外国人は「航空分野特定技能評価試験」に合格している必要があります。航空分野の特定技能評価試験は「航空機整備」と「空港グランドハンドリング」の2種類の試験があります。

つまり、航空機整備の業務で働く場合は「航空機整備」の試験の合格、グランドハンドリングの業務で働く場合は「グランドハンドリング」の試験の合格が必要になります。

航空分野の特定技能評価試験のスケジュール日程

航空分野の特定技能評価試験は、公益社団法人日本航空技術協会が実施しています。試験日程や試験内容、申込みは以下の公式ホームページから確認いただけます。

特定技能「航空」分野の技能実習生からの移行職種

在留資格「技能実習2号」を良好に修了(3年)した外国人は、上記「航空」分野の技能試験が免除されます。※免除となる為には、技能実習時代の職種と特定技能で行う職種に「関連性が必要」です。

左が技能実習時代の作業名。これを行っていた技能実習生は、右の特定技能の職種で働く場合に限り、特定技能の試験が免除されます。

技能実習時代の作業名特定技能で試験免除になる職種名
航空機地上支援空港グランドハンドリング

特定技能「航空機整備」に該当する技能実習の作業はありません。つまり、特定技能「航空機整備」の業務を行う場合は、特定技能評価試験(航空機整備)に合格する必要があります。

※技能実習時代に上記以外の作業をしていた場合は、技能実習2号を良好に修了していても「航空」分野の技能試験は免除にはなりませんが、日本語試験は免除されます。

1号特定技能外国人の支援

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、「各種支援」が特定技能制度で義務付けられています。この各種支援を登録支援機関に委託せず「自社で行う場合」には、以下の自社で支援を行う場合の要件が受入れ企業に求められます。

自社で支援を行う場合の要件

※登録支援機関に支援の全部を委託した場合は、以下の受入れ企業要件は免除されます。

自社で支援を行う場合の受入れ企業要件
  • 2年以内に中長期在留者(就労系のビザを持った外国人)を適正に雇用した事があり、かつ、役職員の中から支援責任者と支援担当者を選任していること。
  • 雇用する外国人が「十分理解できる言語」を話せる社員(通訳派遣も可)がいること。
  • 支援状況に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと。
  • 支援責任者及び支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと。
  • 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと。
  • 支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその上司等に定期的な面談を実施する体制を有していること。
  • 分野特有の基準に適合すること。

特定技能「航空」分野の協議会費用と加入方法

「航空」分野の協議会は、「国土交通省」のホームページから加入手続きが可能です。※以下のリンクからお手続きください。

「航空」分野協議会の豆知識

加入費用:「航空」分野の協議会の加入費用は無料です。

登録支援機関の加入義務:「航空」分野の協議会は、登録支援機関の加入は「義務」です。

最後に「航空」分野での受け入れまでの流れを確認!

「航空」分野での受け入れ流れ
  1. ①雇用する外国人が技能試験と日本語試験をクリアしているか確認後、「特定技能雇用契約」を結ぶ。
  2. ②上記①と並行して、自社が特定技能の「受入機関の要件」とこのページの「航空」分野特有の要件をクリアしているか確認。(確認方法は行政書士に聞いたり、法務省のホームページにある運用要領を読み込む)
  3. ③上記①と②をクリアしたら、外国人本人に健康診断の受診と、在留資格申請に必要な書類を用意するよう指示する。
  4. ④上記③と並行して、「支援計画書」・会社の必要書類・在留資格の申請書類を準備する。(行政書士に依頼するか自社で作成)
  5. ⑤事前ガイダンスを3時間程度かけて外国人に対して行う(自社か登録支援機関で行う)
  6. ⑥在留資格の申請を行う
  7. ⑦上記⑥が許可になれば雇用開始。※外国人が海外にいる場合は入国手続き(在外公館でのビザ申請など)→入国する空港等へのお迎え(支援義務あり)
  8. ⑧ハローワークへの届出、各種福利厚生の手続等を行う
  9. ⑨外国人に対して支援を実施※生活オリエンテーション、その他支援(自社か登録支援機関で行う)
  10. ⑩「航空」分野の協議会に加入。※4カ月以内
  11. ⑪義務付けられた「届出」や「定期の面談」を行う(自社か登録支援機関で行う)

【参考】業種別の「雇い方」や「特有の要件」の解説記事

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