在留資格「特定技能」とは|わかりやすく解説します!

会社社長
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特定技能という新しい在留資格で外国人を雇えるって聞いたけど、今まであった在留資格とどう違うの?

行政書士
行政書士

特定技能という在留資格の1番の特徴は、接客や飲食店の調理担当・介護職員・建設現場の作業員など、「単純労働」と呼ばれる職種で外国人が働ける点です。

会社社長
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なるほど!私の会社でも外国人雇用を検討しています。実際にはどうすれば特定技能という在留資格で外国人を雇用できますか?

行政書士
行政書士

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用するには、まずは特定技能という制度をある程度理解する事が重要です。なぜなら、特定技能の制度では、外国人にさせるとNGな仕事や、外国人を雇用する会社に対して外国人への各種支援を義務付けたりしています。

これから特定技能の全体像を順番に説明していきます。ある程度理解ができた後、実際の雇用に向けて行政書士などに相談しながら手続きを進めていきましょう。

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在留資格「特定技能ビザ」とは

特定技能とは、2019年4月から新しくスタートした在留資格の名称です。在留資格は現在30以上の種類があり、特定技能という在留資格もその中の1つです。外国人が日本で何らかの活動をする場合、いずれかの在留資格を取得する必要があります。

特定技能という在留資格には、「特定技能1号」という在留資格と、「特定技能2号」という在留資格の2種類があります。特定技能1号は、これから働く仕事の経験が無い人などの初心者が取得する在留資格です。特定技能2号は、働く仕事について熟練者が取得する在留資格です。

また、特定技能1号の在留資格で働ける業種は14業種あるのに対して、特定技能2号で働ける業種は「建設業」と「造船・船用工業」の2業種に限られます。これらの点から、特定技能という在留資格を取得して働く外国人の方は、ほとんどが「特定技能1号」を取得する事になります。

この記事では、特定技能1号に焦点を当てて解説していきますが、特定技能1号と2号の違いを知りたい方向けに、下記の記事で詳しく解説しています。宜しければご覧ください。

特定技能で雇用できる業種(職種)

特定技能の在留資格で外国人が働ける業種(職種)は、現状では「14業種」に限定されています。※外国人にどんな仕事でもさせてOKという訳ではないのでご注意ください。

特定技能で外国人が働ける業種
  • 介護(訪問介護はNG)
  • 宿泊(ホテルや旅館)
  • 外食(飲食店全般)
  • 飲食料品製造
  • 建設(11の作業区分のみOK)
  • ビルクリーニング
  • 自動車整備
  • 農業
  • 漁業
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 航空
  • 造船・舶用工業

特定技能制度では、14業種全体に共通する要件と、業種ごとに設定された要件の2種類があり、どちらの要件もクリアしないと特定技能で外国人を雇用する事はできません。業種ごとの「雇い方」や、業種ごとの「要件」については、下記の記事で詳しく解説しています。

特定技能外国人(本人)の要件

特定技能の在留資格を取得する「要件」は、外国人本人がクリアする要件と、外国人を雇用する企業がクリアする要件の2種類があります。(上記で説明したように、企業の要件には、14業種共通の要件と、各業種ごとの要件の2種類があります)

外国人本人の要件で1番重要なものは、「特定技能の技能試験」と「日本語試験」に合格している事です。

特定技能の技能試験は、外国人が就職したい業種ごとに受ける試験が違います。例えば、レストランで働きたい場合は「外食業」の特定技能試験を受験して合格する必要がありますし、ホテルや旅館で働きたい場合は「宿泊業」の特定技能試験となります。

日本語試験は、「国際交流基金日本語基礎テスト」という試験か、「日本語能力試験(N4以上)」という試験のどちらかに合格する必要があります。業種ごとの特定技能試験の日程や、試験内容については下記の記事で詳しく解説しています。

その他の外国人本人の要件
  • 18歳以上であること。
  • 健康状態が良好であること。(健康診断の受診が必要)
  • 有効なパスポートを持っていること。
  • 保証金の徴収等をされていないこと。
  • 外国の機関に費用を支払っている場合、金額・内容を十分に理解していること。
  • 外国人の母国での手続きが定められている場合は、その手続きを経ていること。
  • 食費や住居費等、外国人が定期に負担する費用がある場合は、費用の対価として外国人が受ける利益の内容を十分に理解していること。また、その費用が適正な額であり、明細書等の書面が提示されていること。
  • 業種特有の要件に適合すること。

特定技能の試験が免除になる「技能実習」からの移行

上記で説明した特定技能の技能試験と日本語試験ですが、下記に該当する外国人の場合は試験が免除されます。

「技能実習2号(3年間)を良好に修了した外国人」

ただし、技能実習生の時に行っていた職種(作業)と同じ業務を特定技能でも行う場合のみ、特定技能の試験が免除されます。例えば、建設業の技能実習2号で「左官作業」という作業を行っていた場合は、特定技能で「左官」を行う場合のみ特定技能の技能試験が免除されます。

ですから、技能実習で「左官作業」をしていた外国人が、特定技能で「型枠施工」や「鉄筋施工」といった左官とは違う業務をする場合は、特定技能の技能試験は免除になりません。※日本語試験については、作業が違っても技能実習2号を修了していれば免除になります。

技能実習から特定技能への変更で、特定技能の技能試験が免除になる職種(作業)については、下記の記事で詳しく解説しています。

特定技能所属機関とは(受入機関の要件)

特定技能制度では、特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する会社の事を「特定技能所属機関」と呼びます。上記で説明したように、会社側の要件には「全業種に共通の要件」と、「業種ごとに設定された特有の要件」の2種類があります。

全業種に共通の要件

全業種に共通の会社の要件は、大きく分けると次の4つです。

要件①:雇用契約が適切なこと。

特定技能制度では、特定技能の在留資格を持つ外国人と、その外国人を雇用する会社の間で交わす雇用契約の事を「特定技能雇用契約」と呼びます。

この特定技能雇用契約は、日本人を雇う場合と同様に労働関係法令を遵守する事はもちろん、「日本人と同水準以上の給料になっているか」や「外国人の一時帰国の為の休暇取得」など、特定技能特有の雇用契約内容が盛り込まれている必要があります。

難しく感じるかもしれませんが、法務省のホームページに「特定技能雇用契約書」と「雇用条件書」いう専用の書式があります。この書式に沿って雇用契約書を作成すれば、必要な基準をクリアした契約書になります。※もちろん、作った雇用契約書の内容通りに雇用契約を履行する必要があります。

要件②:支援計画が適切なこと。

特定技能制度では、雇用した特定技能の在留資格で働く外国人を「手厚く支援する事」を義務付けています。この支援がキッチリ行われるように、事前に「支援計画書」の作成を企業に義務付けています。

この「支援計画書」は、特定技能の在留資格手続きの時に出入国在留管理局(入管)へ提出します。支援計画書の内容については、特定技能制度で定められた「支援内容」が盛り込まれている必要があります。

支援計画書も特定技能雇用契約書と同様、法務省のホームページに記入例付きで専用の書式があります。こちらも記入例を参考に入力していけば、必要な基準をクリアした支援計画書が完成します。※当然、作成した支援計画通りに外国人に対して支援を行う必要があります。

要件③:会社自体が適切なこと。

この要件は、外国人を受け入れる会社が適正な会社である事を求める要件で、複数設定されています。例えば以下のような要件があります。

・労働法や、社会保険や租税に関する法令を遵守していること。

・1年以内に、特定技能で雇用する外国人と同種の業務に従事している労働者をリストラしていないこと。

・欠格事由に該当しないこと。(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)

※特定技能で働く外国人を受け入れる会社の要件は、下記の記事で詳しく解説しています。

要件④:外国人を支援する体制があること。

この要件は、実際に外国人の支援をする体制が会社にあるかを求める要件です。具体的には、外国人が理解できる言語を話せる従業員が会社に在籍しているかや、過去2年以内に就労系の在留資格で働く外国人を適正に雇用した実績があるか等の要件があります。

登録支援機関に外国人の支援を委託する場合には、この「支援体制の要件」は免除されます。※登録支援機関については、次の項目で説明しています。

14業種別の特有の要件

特定技能で外国人を雇用する業種ごとの要件には以下のような要件があります。

例1(外食業):風営法第2条第3項に規定する接待をさせないこと。

例2(宿泊業):旅館業法第3条第1項の旅館・ホテル営業の許可を受けていること。

例3(介護業):事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する業務を除く)を行うものであること。※訪問介護はNGということです。

業種ごとの詳しい要件については、下記の記事で解説しています。

特定技能「登録支援機関」とは

登録支援機関とは、特定技能で働く外国人を雇用する「会社に代わって」、外国人に対して各種支援を行う団体又は個人です。受け入れ企業は外国人に対する支援を自社で行ってもOKですが、自社で支援を行う事が難しい場合は登録支援機関に業務委託をして支援を行ってもらいます。

行政書士事務所や人材派遣会社、技能実習制度の監理団体といった団体が登録支援機関としての登録を受けているのが現状です。登録支援機関の役割や、サポート業務については下記の記事で詳しく解説しています。

登録支援機関の委託費用

特定技能外国人を受け入れる企業が自社で支援業務を行わず、登録支援機関に支援業務を委託する場合の費用を下記の記事で紹介しています。だいたい外国人1人当たり、月額2万円~4万円程度が相場になっています。

登録支援機関の選び方や一覧リスト

実際に、登録支援機関を選ぶ時のポイントや、既に登録済みの登録支援機関の一覧表は下記の記事でご覧いただけます。登録支援機関には多くの企業や団体が登録していますので、どの登録支援機関にするか決める際の参考にしてください。

特定技能「協議会」とは

特定技能制度では、特定技能の在留資格で働く外国人を雇用する企業に、協議会への加入を義務付けています。協議会の役割は、外国人の支援や保護が徹底されるよう受入企業に法令遵守の啓発を行ったり、特定技能制度が円滑に実施されるように情報を共有する事です。

特定技能の協議会は、業種ごとに別々に設置されています。また、業種によっては、登録支援機関にも加入を義務付けている協議会もあります。協議会への加入方法や業種ごとの登録支援機関の加入義務については下記の記事で紹介しています。

特定技能で受け入れ(雇用する流れ)

さて、ここまでは特定技能に関する基本情報を説明してきました。次は実際の雇用(受け入れ)までの流れをご紹介します。

特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、「海外にいる外国人を雇用する場合」と、「日本にいる外国人を雇用する場合」の2パターンがあります。

海外にいる外国人を雇用する場合

海外に在住の外国人を雇用する場合は、「在留資格認定証明書交付申請」という手続きを出入国在留管理局(入管)へ行います。詳しい流れについては下記の記事で紹介しています。

国内にいる外国人を雇用する場合

国内にいる外国人とは、日本語学校に通う卒業予定の外国人や、技能実習という在留資格で日本に滞在している外国人の事を指しています。この場合は、外国人の現在の在留資格である、「留学」や「技能実習」という在留資格から特定技能という在留資格に「在留資格変更許可申請」を行います。詳しい流れについては下記の記事で紹介しています。

特定技能で働く外国人を探す方法

特定技能で働く外国人を探す方法として、人材紹介会社から紹介してもらう方法や、ハローワークや自社のHPで採用情報を掲載する方法、求人情報サイトなどに採用情報を掲載する方法などが現状では考えられます。

下記の記事では、特定技能に特化した求人情報サイトをまとめて一覧にしていますので、宜しければ参考にしてください。

特定技能の申請や変更に必要な料金表

最後に、当事務所で特定技能の在留資格手続きをする場合の料金表へのリンクを貼っています。実際の申請手続を自社で行う事が難しそうだと感じた場合は、お気軽にお問い合わせください。

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