こんな疑問に答えます。
特定技能制度では、外国人を雇用する受入機関(企業や個人事業主)に多くの要件(条件)を定めています。この要件を知らずに話を進めると、特定技能の申請直前で話がストップしたり、せっかく申請しても不許可の原因となってしまいます。
そこでこの記事では、特定技能を使いたい受入企業や個人事業主に求められる要件について、特定技能制度が対象の14業種別に解説します。さらに、特定技能で外国人を雇用した後の5つの届出についても解説します。
この記事を読めば、自社の業種(職種)に合わせた要件や雇用後にしなければならない届出内容が分かり、特定技能を使った外国人雇用に失敗しない為の知識が身につきます。
特定技能所属機関とは?
特定技能所属機関とは、「特定技能の在留資格を持つ外国人」を雇用する受入機関(受入企業や個人事業主)のことです。
特定技能所属機関(受入機関)の一覧はある?
特定技能所属機関(受入機関)の一覧は一部の職種で用意されています。受入機関(受入企業や個人事業主)の一覧がある業種と公開されているホームページの一覧は下記のとおりです。
一覧がある業種 | 一覧が公開されているサイト |
---|---|
介護分野 | 厚生労働省ホームページ |
ビルクリーニング分野 | 厚生労働省ホームページ |
製造業3分野 | 経済産業省ホームページ |
建設分野 | JACホームページ |
農業分野 | 農林水産省ホームページ |
飲食料品製造業 | 農林水産省ホームページ |
外食業 | 農林水産省ホームページ |
特定技能所属機関(受入機関)になるための要件は?
特定技能を使った外国人雇用の際、特定技能所属機関(受入機関)に求められる要件は大きく分けて「業種共通の要件」と「業種特有の要件」の2種類があります。
この共通の要件と特有の要件全てをクリアしないと特定技能を使った外国人雇用はできません。
特定技能14業種(職種)で共通の要件
まず、特定技能14業種(職種)で共通の要件は下記のとおりです。
14業種共通の受入機関の要件(条件) |
---|
外国人に行わせる業務が適正 |
労働条件(労働時間・報酬額等)が日本人と同等以上 |
一時帰国を希望した場合、休暇を取得させる |
労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守している ※必要な手続きを行っているか、納税義務等を履行しているかなどを審査されます。 |
1年以内に、特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていない |
1年以内に、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていない |
欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しない |
違約金を定める契約等を締結していない |
支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させない |
労災保険関係の成立の届出等の措置を講じている |
雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されている(経営状態等のこと) ※決算文書等をもとに、欠損金の有無・債務超過の有無等から総合的に判断されます。 ※個人事業主の場合は、「税目を申告所得税とする納税証明書」を提出。 |
報酬を預貯金口座への振込等により支払う |
1号特定技能外国人を支援する体制がある(登録支援機関に支援を委託する場合は不要) |
分野に特有の基準に適合している※次で解説します。 |
特定技能の業種ごとの特有の条件
次に、特定技能の14業種(職種)ごとに決められた「業種特有の要件」をご紹介します。
例えば、介護事業所で特定技能外国人を雇う場合は介護分野の要件をクリアしている必要がありますし、飲食店で雇用する場合は外食業分野の要件をクリアしている必要があるということです。
特定技能の業種にどんな業種があるのかや、どんな仕事を外国人にさせてOKなのかについては以下の記事が参考になります。
≫特定技能14業種一覧※2号職種の追加情報や産業分野ごとの業務区分
特定技能「介護」特有の要件
「介護」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 特定技能外国人を受け入れる事業所が,介護福祉士国家試験の受験資格の認定において実務経験として認められる介護等の業務に従事させることができる事業所であること。※訪問介護などの訪問系サービスについては対象外です。
- 1号特定技能外国人の人数が,事業所単位で,日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこと。※日本人「等」には、「介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士」「在留資格(介護)により在留する者」「永住者や日本人の配偶者など,身分・地位に基づく在留資格により在留する者」が含まれます。反対に、「技能実習生」「EPA介護福祉士候補者」「留学生」は含まれません。
特定技能「ビルクリーニング」特有の要件
「ビルクリーニング」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 建築物における衛生的環境の確保に関する法律「第12条の2第1項第1号又は第8号」に掲げる事業の登録を受けた営業所において外国人を受け入れること。※「建築物清掃業」又は「建築物環境衛生総合管理業」の登録のことです。
特定技能「素形材産業」特有の要件
「素形材産業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 素形材産業分野の1号特定技能外国人が活動を行う事業所が,以下の日本標準産業分類のうちいずれかに該当すること。
日本標準産業分類 |
---|
細分類2194-鋳型製造業(中子を含む) |
小分類225-鉄素形材製造業 |
小分類235-非鉄金属素形材製造業 |
細分類2424-作業工具製造業 |
細分類2431-配管工事用附属品製造業(バルブ,コックを除く) |
小分類245-金属素形材製品製造業 |
細分類2465-金属熱処理業 |
細分類2534-工業窯炉製造業 |
細分類2592-弁・同附属品製造業 |
細分類2651-鋳造装置製造業 |
細分類2691-金属用金型・同部分品・附属品製造業 |
細分類2692-非金属用金型・同部分品・附属品製造業 |
細分類2929-その他の産業用電気機械器具製造業(車両用,船舶用を含む) |
細分類3295-工業用模型製造業 |
上記の標準産業分類に自社が該当するかの判断はなかなか難しいと思います。確認方法としては、「経済産業省の担当部署へ問い合わせる」や「協議会へ特定技能の申請前に加入する」などが考えられます。
特定技能「産業機械製造業」特有の要件
「産業機械製造業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
産業機械製造業分野の1号特定技能外国人が活動を行う事業所が,以下の日本標準産業分類のうちいずれかに該当すること。
日本標準産業分類 |
---|
細分類2422-機械刃物製造業 |
小分類248-ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業 |
中分類25-はん用機械器具製造業(細分類2534-工業窯炉製造業,細分類2591-消火器具・消火装置製造業及び細分類2592-弁・同附属品製造業を除く。) |
中分類26-生産用機械器具製造業(細分類2651-鋳造装置製造業,細分類2691-金属用金型・同部分品・附属品製造業及び細分類2692-非金属用金型・同部分品・附属品製造業を除く。) |
小分類270-管理,補助的経済活動を行う事業所(27 業務用機械器具製造業) |
小分類271-事務用機械器具製造業 |
小分類272-サービス用・娯楽用機械器具製造業 |
小分類273-計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業 |
小分類275-光学機械器具・レンズ製造業 |
上記の標準産業分類に自社が該当するかの判断はなかなか難しいと思います。確認方法としては、「経済産業省の担当部署へ問い合わせる」や「協議会へ特定技能の申請前に加入する」などが考えられます。
特定技能「電気・電子情報関連産業」特有の要件
「電気・電子情報関連産業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
電気・電子情報関連産業分野の1号特定技能外国人が活動を行う事業所が,以下の日本標準産業分類のうちいずれかに該当すること。
日本標準産業分類 |
---|
中分類28-電子部品・デバイス・電子回路製造業 |
中分類29-電気機械器具製造業(細分類2922-内燃機関電装品製造業及び細分類2929-その他の産業用電気機械器具製造業(車両用,船舶用を含む)を除く。) |
中分類30-情報通信機械器具製造業 |
上記の標準産業分類に自社が該当するかの判断はなかなか難しいと思います。確認方法としては、「経済産業省の担当部署へ問い合わせる」や「協議会へ特定技能の申請前に加入する」などが考えられます。
特定技能「建設」特有の要件
「建設」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 1号特定技能外国人の受入れに関する計画(建設特定技能受入計画)について,その内容が適当である旨の国土交通大臣の認定を受けていること。
特定技能「造船・舶用工業」特有の要件
「造船・舶用工業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 造船法第6条第1項の事業を営む者,小型船造船業法第2条第1項に規定する小型船造船業を営む者その他の造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であること。(※在留諸申請を行う前に造船・舶用工業分野に係る事業を営む者であることについて,国土交通省の確認を受ける必要があります。)
特定技能「自動車整備」特有の要件
「自動車整備」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 道路運送車両法第78条第1項に基づく,地方運輸局長の認証を受けていること。
- 登録支援機関を使う場合,支援責任者,支援担当者その他外国人の支援を行う者として,自動車整備士1級又は2級の資格を有する者又は自動車整備士の養成施設において5年以上の指導に係る実務の経験を有する者を置いている登録支援機関を使う必要があります。
特定技能「航空」特有の要件
「航空」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
【空港グランドハンドリングで雇用する場合】
空港管理規則第12条第1項若しくは第12条の2第1項の承認を受けた者(航空法第100条第1項の許可を受けた者を含む。)若しくは同規則第13条第1項の承認を受けた者若しくは同規則第12条第1項,第12条の2第1項若しくは第13条第1項の規定に準じて定められた条例,規則その他の規程の規定に相当するものに基づき空港管理者により営業を行うことを認められた者であって,空港グランドハンドリングを営む者。
【航空機整備で雇用する場合】
航空法第20条第1項第3号,第4号若しくは第7号の能力について同項の国土交通大臣による認定を受けた者、若しくは当該者から業務の委託を受けた者。※前者については,自らが航空機整備等に係る能力について認定を受けた者であることを証明する必要があります。後者については,委託元が航空機整備等に係る能力について認定を受けた者であることを証明するとともに,自らが当該委託元から業務の委託を受けた者であることを証明する必要があります。
特定技能「宿泊」特有の要件
「宿泊」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 受入機関は,旅館・ホテル営業(旅館業法第 2 条第 2 項に規定する旅館・ホテル営業をいう。)の許可を受けて旅館業を営んでおり,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(第 2 条第6 項第 4 号に規定する施設「ラブホテル等」)に該当しないものであること。
- 特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。
特定技能「農業」特有の要件
「農業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。※直接雇用と派遣雇用で要件が違います。
直接雇用の場合の要件は以下の通りです。
- 過去5年以内に労働者(技能実習生を含む。)を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験があること。
派遣雇用の場合の要件は以下の通りです。
【派遣先の要件】
- 過去5年以内に労働者(技能実習生を含む。)を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験があるか「又は」派遣先責任者講習その他労働者派遣法における派遣先の講ずべき措置等の解説が行われる講習(例えば,都道府県労働局が実施する派遣先向けの講習等)を受講した者を派遣先責任者として選任していること。
【派遣会社の要件】
次のいずれかに該当すること。
- 農業分野に係る業務又はこれに関連する業務を行っている者であること。
- 地方公共団体又は「1」に掲げる者が資本金の過半数を出資していること。
- 地方公共団体の職員又は「1」に掲げる者若しくはその役員若しくは職員が役員であることその他、地方公共団体又は「1」に掲げる者が業務執行に実質的に関与していると認められる者であること。
- 国家戦略特別区域法第16条の5第1項に規定する特定機関であること。
特定技能「漁業」特有の要件
「漁業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。※直接雇用と派遣雇用で要件が違います。
直接雇用の場合の要件は以下の通りです。
特になし。
派遣雇用の場合の要件は以下の通りです。
【派遣先の要件】
特になし。
【派遣会社の要件】
いずれかに該当し,かつ,法務大臣が農林水産大臣と協議の上で適当であると認められる者。
- 漁業又は漁業に関連する業務を行っている者であること。
- 地方公共団体又は①に掲げる者が資本金の過半数を出資していること。
- 地方公共団体の職員又は①に掲げる者若しくはその役員若しくは職員が役員であることその他地方公共団体又は①に掲げる者が業務執行に実質的に関与していると認められる者であること。
特定技能「飲食料品製造業」特有の要件
「飲食料品製造業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人が活動を行う事業所が,以下の日本標準産業分類のうちいずれかに該当すること。
日本標準産業分類 |
---|
①中分類09-食料品製造業 |
②小分類101-清涼飲料製造業 |
③小分類103-茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く) |
④小分類104-製氷業 |
⑤細分類5861-菓子小売業(製造小売) |
⑥細分類5863-パン小売業(製造小売) |
⑦細分類5897-豆腐・かまぼこ等加工食品小売業 |
上記の標準産業分類に自社が該当するかの判断はなかなか難しいと思います。確認方法としては、「農林水産省の担当部署へ問い合わせる」や「協議会へ特定技能の申請前に加入する」などが考えられます。
なお,飲食料品製造業分野には,酒類製造業,塩製造業,医薬品製造業,香料製造業,飲食料品卸売業,飲食料品小売業(上記の⑤,⑥及び⑦を除く)は含まれません。
特定技能「外食業」特有の要件
「外食業」分野特有の受入機関(受入企業や個人事業主)の要件は以下の通りです。
- 1号特定技能外国人に,風営法第2条第1項に規定する風俗営業及び同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む営業所において就労させないこと。
- 風営法第2条第3項に規定する接待を行わせないこと。
- 以下の飲食サービス業のいずれかを行っている事業所に就労させること。
就労される事業所 |
---|
客の注文に応じ調理した飲食料品,その他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業(例:食堂,レストラン,料理店等の飲食店,喫茶店等) |
飲食することを目的とした設備を事業所内に有さず,客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業(例:持ち帰り専門店等) |
客の注文に応じ,事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業(例:仕出し料理・弁当屋,宅配専門店,配食サービス事業所等) |
客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業(例:ケータリングサービス店,給食事業所等) |
特定技能所属機関(受入機関)になる申請の必要書類は?
特定技能所属機関(受入機関)になるには、入管(出入国在留管理局)へ特定技能外国人を雇用するための申請をする必要があります。この申請は申請書類と併せて受入機関(外国人を雇用する受入企業や個人事業主)の必要書類を入管へ提出して行います。
受入機関(企業や個人事業主)の必要書類はそれぞれ下記のとおりです。
企業(法人)の必要書類
企業(法人)の必要書類は以下の通りです。(※直接雇用の場合の必要書類です。)
企業(法人)の必要書類 |
---|
①登記事項証明書。 |
②役員の住民票の写し。 |
③決算文書の写し(損益計算表及び貸借対照表) ※直近2年分。 |
④法人税の確定申告書の控えの写し。 ※直近2年分。 |
⑤労働保険料等納付証明書(未納なし証明) ※初めて特定技能で外国人を雇用する場合。 |
⑥労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し(※領収証書対応分)と領収証書の写し(※直近1年分) ※既に特定技能で外国人を雇用している場合。 |
⑦健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し。 ※申請月の前々月までの24か月分。 ※健康保険・厚生年金保険の適用事業所の場合に提出。 |
⑧税目を「源泉所得税及び復興特別所得税,法人税,消費税及び地方消費税」とする納税証明書。 |
⑨(地方税)税目を「法人住民税」とする納税証明書(前年度分) |
⑩二国間取決めにおいて「遵守すべき手続」に係る書類。 |
⑪業種別の必要書類 |
※⑤と⑥はどちらかを提出。
①は法務局、②と⑨は市役所等、⑤は労働局、⑧は税務署で取得できます。③、④、⑥、⑦は社内にあるはずの書類です。
個人事業主の必要書類
個人事業主の必要書類は以下の通りです。(※直接雇用の場合の必要書類です。)
個人事業主の必要書類 |
---|
①住民票の写し(個人事業主のもの) ※マイナンバーの記載がないもの。 ※本籍地の記載があるもの。 |
②税目を「申告所得税」とする納税証明書(その2) ※直近2年分。 |
③労働保険料等納付証明書(未納なし証明) ※初めて特定技能で外国人を雇用する場合。 |
④労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し(※領収証書対応分)と領収証書の写し(※直近1年分) ※既に特定技能で外国人を雇用している場合。 |
⑤税目を「源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税」とする納税証明書(個人事業主のもの) |
⑥(地方税)税目を「個人住民税」とする納税証明書(前年度分)(個人事業主のもの) |
⑦健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し。 ※申請月の前々月までの24か月分。 ※健康保険・厚生年金保険の適用事業所の場合に提出。 |
⑧国民健康保険被保険者証の写しと国民健康保険料(税)納付証明書(個人事業主のもの) ※健康保険・厚生年金保険の適用事業所でない場合に提出。 |
⑨国民年金保険料領収証書の写し(個人事業主のもの) ※申請月の前々月までの24か月分。 ※健康保険・厚生年金保険の適用事業所でない場合に提出。 |
⑩二国間取決めにおいて「遵守すべき手続」に係る書類。 |
⑪業種別の必要書類 |
※⑦と⑧⑨はどちらかを提出。
①と⑥は市役所等、②と⑤は税務署、③は労働局で取得できます。④、⑦、⑧(納付証明書は市役所等)、⑨は個人事業主の手元にある書類です。
業種別の必要書類
上記の企業(法人)と個人事業主の必要書類の他に、業種(職種)ごとに必要な書類があります。業種ごとの必要書類は企業(法人)と個人事業主ともに同じ書類が必要です。業種別の必要書類は以下の通りです。(※直接雇用の場合の必要書類です。)
※法務省のホームページに「業種別の誓約書」が用意されています。
介護 |
---|
①誓約書。 |
②介護分野における業務を行わせる事業所の概要書。 |
③指定通知書等の写し。 ※介護保険法に基づく事務所の指定を証する書面/医療法に基づく病院等の開設許可を証する書面。 |
ビルクリーニング |
---|
①誓約書。 |
②建築物清掃業登録証明書 or 建築物環境衛生総合管理業登録証明書。 ※1号特定技能外国人を受け入れる営業所のものが必要。 |
素形材産業 |
---|
①誓約書。 |
産業機械製造業 |
---|
①誓約書。 |
電気・電子情報関連産業 |
---|
①誓約書。 |
建設 |
---|
①誓約書。 |
②建設特定技能受入計画の認定証の写し。 |
造船・舶用工業 |
---|
①誓約書。 |
②造船・舶用工業事業者の確認通知書。 |
自動車整備 |
---|
①誓約書。 |
②協議会の構成員となることの証明書。 |
③地方運輸局長の認証を受けた事業場であることを証する資料。 |
航空 |
---|
①誓約書。 |
②次のいずれかの資料(空港グランドハンドリングの業務区分の場合) ・国管理空港における空港管理規則に基づく構内営業の承認書(写し),又は,会社管理・地方自治体管理空港における空港管理者による営業の承認,許可を証明する書類(写し) ・航空法に基づく航空運送事業の経営許可書(写し) |
③次のいずれかの資料(航空機整備の業務区分の場合) ・航空機整備等に係る能力について国土交通大臣による認定を受けた者であることを証明するもの。 ・航空機整備等に係る能力について認定を受けた者から業務の委託を受けた者にあっては,委託元に係る上記の書類及び委託契約書(写し) |
宿泊 |
---|
①誓約書。 |
②旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書) |
農業 |
---|
①誓約書。 |
漁業 |
---|
①誓約書。 |
②以下の書類は該当する分を用意。 |
【特定技能所属機関が農林水産大臣又は都道府県知事の許可又は免許を受けて漁業又は養殖業を営んでいる場合】 ※次のいずれかの書類 ・許可証の写し ・免許の指令書の写し ・その他許可または免許を受け漁業又は養殖業を営んでいることが確認できる公的な書類の写し |
【特定技能所属機関が漁業協同組合に所属して漁業又は養殖業を営んでいる場合】 ※次のいずれかの書類 ・当該組合の漁業権の内容たる漁業又は養殖業を営むことを確認できる当該組合が発行した書類の写し ・その他当該組合に所属して漁業又は養殖業を営んでいることが確認できる書類の写し |
【漁船を用いて漁業又は養殖業を営んでいる場合】 ※次のいずれかの書類 ・漁船原簿謄本の写し ・漁船登録票の写し |
飲食料品製造業 |
---|
①誓約書。 |
外食業 |
---|
①誓約書。 |
②保健所長の営業許可証の写し。 ※特定技能外国人を勤務させる店舗のものが必要。 |
特定技能所属機関(受入機関)になった後の届出義務は?
最後に、特定技能外国人を雇用した後、特定技能所属機関(受入機関)に義務付けられている届出手続きをご紹介します。
特定技能制度では、特定技能特有の届出義務を受入機関に義務付けており、届出を怠ると罰則も規定されていますので十分な制度理解が必要です。
特定技能制度全体の理解に役立つ下記の記事もよければ参考にしてください。
≫特定技能とは?1号・2号と技能実習生の違いやメリットをわかりやすく解説
外国人雇用状況の届出
これは、特定技能に限らず、外国人を雇用した場合に必要な届出です。
届出名 | 外国人雇用状況の届出 |
届出先 | ハローワーク |
届出時期 | 雇用時及び離職時 |
罰則 | 届出義務を怠ると罰則あり |
該当ケース | 外国人を雇用する場合の共通手続き |
各種保険の手続き・届出
特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する場合、「同種の業務に従事するフルタイムの日本人従業員」と労働条件面において同待遇で雇用する必要があります。
これは、「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」についても同様ですから、労働・社会保険に係る法令の定めるところに従って、被保険者に該当する外国人労働者に係る適用手続等必要な手続をとる必要があります。
要するに、日本人社員を雇用する場合と同じ手続き・届出が必要ということです。
【特定技能】受入れ状況に係る届出(定期報告)
これは特定技能を使って外国人雇用する場合特有の届出です。
届出名 | 受入れ状況に係る届出 |
届出の種類 | 定期報告 |
届出先 | 出入国在留管理局 |
届出時期 | 四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内 |
罰則 | 届出義務を怠ると罰則あり |
該当ケース | 特定技能で外国人を雇用した場合の手続き |
※特定技能制度では上記の「定期の届出(定期報告)」の他に、「随時の届出」があります。随時の届出とは、「何か変更があった場合にする届出」のことで、雇用契約の変更・支援計画の変更・特定技能外国人の離職時などがあります。
【特定技能】活動状況に係る届出(定期報告)
これは特定技能を使って外国人雇用する場合特有の届出です。
届出名 | 活動状況に係る届出 |
届出の種類 | 定期報告 |
届出先 | 出入国在留管理局 |
届出時期 | 四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内 |
罰則 | 届出義務を怠ると罰則あり |
該当ケース | 特定技能で外国人を雇用した場合の手続き |
※特定技能制度では上記の「定期の届出(定期報告)」の他に、「随時の届出」があります。随時の届出とは、「何か変更があった場合にする届出」のことで、雇用契約の変更・支援計画の変更・特定技能外国人の離職時などがあります。
【特定技能】支援実施状況に係る届出
「支援実施状況に係る届出」は特定技能を使って外国人を雇用する場合特有の届出です。「支援実施状況に係る届出」も上記の「受入れ状況に係る届出」や「活動状況に係る届出」と同じ定期の届出(定期報告)です。
「支援実施状況に係る届出」は、登録支援機関に支援の全部の実施を委託する場合は、受入機関の届出義務が免除されます。
登録支援機関については以下の記事で詳しく解説しています。
≫特定技能の登録支援機関とは?一覧や支援内容、費用や申請要件を解説
届出名 | 支援実施状況に係る届出 |
届出の種類 | 定期報告 |
届出先 | 出入国在留管理局 |
届出時期 | 四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内 |
罰則 | 届出義務を怠ると罰則あり |
該当ケース | 特定技能で外国人を雇用した場合の手続き |
※特定技能制度では上記の「定期の届出」の他に、「随時の届出」があります。随時の届出とは、「何か変更があった場合にする届出」のことで、雇用契約の変更・支援計画の変更・特定技能外国人の離職時などがあります。
まとめ
特定技能対象の14業種ごとに規定されている受入機関の要件(条件)はある程度理解いただけましたでしょうか?
特定技能制度では業種共通の規定と業種特有の規定があり、この記事で説明した受入機関の要件の他に、外国人が受ける特定技能の試験も14業種ごとに別々の試験が設置されています。
それぞれの業種の特定技能試験の日程や申し込み方法などは以下の記事で紹介しています。