外国人の方が日本に入国・在留するためには、日本の出入国管理及び難民認定法に定められている33種類の在留資格に該当する必要があります。
(詳しくは「在留資格の種類やビザとの違い」をご覧ください。)
33種類の在留資格には、各々該当する範囲、及び一部の在留資格には基準が定められています。(詳しくは「入管法の基礎知識」をご覧ください。)
この記事では、日本の企業等が雇用する外国人の代表的な在留資格である【技術・人文知識・国際業務】・【経営・管理】・【高度専門職】・【企業内転勤】・【技能実習】について、基本的な審査の基準や書類作成上の留意点を解説しています。また、各在留資格の具体的な職種について例示しています。
「在留資格認定証明書の交付」・「在留資格変更申請」に係る審査の基準
外国人が、日本に入国するための許可(在留資格認定証明書の交付)や、在留資格変更許可を得る場合には、以下のような審査の基準があります。
☑在留資格該当性
入管法では、外国人が日本で行う活動を、「在留資格」というカテゴリーに分けて規定しています。
この「在留資格」というカテゴリーに当てはまる活動を行う場合にのみ、外国人が日本にいることが許可されます。
☑上陸審査基準適合性
上記の在留資格のカテゴリーに該当する活動を行うこと(在留資格該当性)の他に、下記の在留資格の場合には、入管法第七条第一項第二号の基準を定める省令の基準(一般に「基準省令」という)に該当しなければいけません。
この「基準省令」に該当することを基準適合性と言います。その他の在留資格、例えば「永住者」や「日本人の配偶者」等には、この基準の適用はありません。
◇【基準省令が該当する在留資格】
「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「技能実習」「留学」「研修」「家族滞在」
在留資格(ビザ)申請の書類作成上の豆知識と注意点
在留資格(ビザ)申請をする際の豆知識&注意点
①在留資格該当性を立証する
在留資格に該当する活動を、「安定的かつ継続的」に行って我が国に在留することを立証する。
②基準適合性を立証する
基準省令に該当する在留資格の場合は、基準省令に適合しているかを書面で立証する。
【豆知識】
・大学卒業の学歴を基準適合性の立証要件とする場合、学士号を取得しているかに注意する。(卒業はしていても、学士号を授与されていないケースもある。)
・外国の卒業証明書を翻訳する場合、専攻は機械工学や経営学など、入管法が示した分野にできるだけ統一したほうが理解され易い。
③報酬要件がある在留資格の場合
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要。
※注:報酬額の見解は地方入管によって多少の違いがあるので、最新情報を入手したほうが良い。
就労の在留資格別の具体的な職種一覧
在留資格別の該当例
特定技能 | 14業種(詳しい解説を見る) |
技術・人文知識・国際業務 | ◇機械工学等の技術者 ◇通訳 ◇デザイナー ◇私企業の語学教師 ◇マーケティング業務従事者 |
経営・管理 | ◇企業の経営者 ◇管理者 |
高度専門職 | ◇ポイント制による高度人材 |
企業内転勤 | ◇外国事業者からの転勤者 |
技能実習 | ◇技能実習生 |
永住者 | 原則どんな仕事でも可能 |
新しい特定活動ビザ「日本の大学を卒業した留学生」はこちら。
就労ビザの更新期間
就労ビザの更新は、下記の「与えられる在留期間」によって変わります。以下在留期間を参考にしてください。
在留資格 | 在留期間 |
特定技能1号 | 1年、6カ月又は4か月 |
特定技能2号 | 3年、1年又は6か月 |
技術・人文知識・国際業務 | 5年、3年、1年又は又は3か月 |
経営・管理 | 5年、3年、1年、4か月又は3か月 |
高度専門職1号 | 5年 |
高度専門職2号 | 無期限 |
企業内転勤 | 5年、3年、1年又は又は3か月 |
技能実習1号 | 通常1年 |
永住者 | 無期限 |
就労ビザの転職時注意点
就労ビザで在留する外国人の方が転職する場合の注意点です。
そもそも転職可能な在留資格か?
技能実習生や企業内転勤は原則転職できません。それに対して、技術・人文知識・国際業務や特定技能などは転職が可能な在留資格です。
転職先の会社での仕事内容は適正か?
在留資格にはそれぞれ活動内容が決まっています。前の会社の仕事はOKでも、転職先での仕事内容に気をつけなければいけません。自分が持っている在留資格で働ける仕事かどうかを確認しましょう。
入管への届出を忘れに!
「高度専門職1号イ」,「高度専門職1号ロ」,「研究」,「技術・人文知識・国際業務」,「介護」,「技能」などの在留資格を持って在留する外国人の方は、会社を辞めた時と新しい会社に就職した時の「両方のタイミング」で、入管に届出が必要です。(14日以内)
届出をしていないと、在留期間更新の時にマイナス要素になる可能性があります。ですから、届出は忘れずに行てください。