【NEW】
特定技能2号の職種(業種)が追加・拡大される可能性が出てきました。いつから拡大されるかについてこの記事で紹介します。
こんな疑問に答えます。
特定技能を使って外国人雇用を検討する場合、1番最初の疑問点として「自分の会社は対象の職種なのか?」という点です。また、特定技能で雇用する外国人にさせてOKな業務内容についてイマイチ理解できていないケースもよく見かけます。
そこでこの記事では、特定技能制度が対象としている職種から外国人にさせてOKな業務内容までを詳しく解説します。
この記事を読めば、自分の会社で特定技能外国人を雇用する場合に、どんな仕事をさせるかという具体的なイメージができるようになります。
特定技能2号の職種(業種)追加・拡大情報
【NEW】
2023年4月24日、出入国在留管理庁が自民党の外国人労働者等特別委員会にて特定技能2号の職種(業種)拡大の提案をしました。
あくまで追加・拡大される可能性が出たにすぎませんが、特定技能制度に関与する人にとっては朗報ではないでしょうか。
特定技能2号の追加・拡大される職種(業種)
特定技能2号の追加・拡大されるかもしれない職種(業種)は下記のとおりです。
【今まで】
特定技能2号が対象の職種 |
---|
建設分野 |
造船・舶用工業分野 |
【拡大されると】
※赤字が追加されるかも職種です
特定技能2号が対象の職種 |
---|
建設分野 |
造船・舶用工業分野 |
ビルクリーニング分野 |
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野 |
自動車整備分野 |
航空分野 |
宿泊分野 |
農業分野 |
漁業分野 |
飲食料品製造業分野 |
外食業分野 |
介護分野だけは拡大職種からはずれています。元々、介護分野には熟練者用の在留資格「介護」というものがあります。この在留資格「介護」が特定技能2号のような位置づけの在留資格のため、今回の職種拡大からはずれたようです。
特定技能2号の職種(業種)の拡大はいつから?
あくまで予想ですが、「2024年4月」から特定技能2号の職種(業種)が拡大される可能性があります。理由は、「2019年4月からスタートした特定技能1号が5年目をむかえるから」です。
特定技能1号は最大で5年間しか日本にいられない在留資格です。特定技能2号に変更ができなければ、基本的には母国に帰ることになります。このあたりの事情も踏まえて、2024年4月からスタートするのが「ちょうどいい時期」と言えそうです。
特定技能2号とは※1号との比較表
2019年4月からスタートした特定技能制度には、2種類の在留資格があります。それが「特定技能1号」と「特定技能2号」です。
特定技能1号と特定技能2号の比較表は下記のとおりです。
比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
取得条件 | 簡単な技能試験と日本語試験 | 難しい技能試験 |
在留期間 | 通算で5年間しか日本にいられない | 上限なし※更新すれば日本にずっといられる |
家族 | 家族帯同不可 | 配偶者と子を日本に呼べる |
特定技能で認められている12職種(業種)の一覧
まずは、特定技能制度で外国人を雇用できる対象職種(業種)を見てみましょう。特定技能を使って外国人を雇う場合の最低限の条件として、会社が以下の職種に該当する必要があります。
※特定技能とセットで聞くことの多い「技能実習」とは認められている職種に違いがあるので注意が必要です。特定技能と技能実習の違いについては以下の記事が参考になります。
≫特定技能とは?1号・2号と技能実習生の違いやメリットをわかりやすく解説
特定技能を使える職種名 | 雇用できる形態 |
---|---|
介護 | 直接雇用のみ |
ビルクリーニング | 直接雇用のみ |
素形材産業 | 直接雇用のみ |
産業機械製造業 | 直接雇用のみ |
電気・電子情報関連産業 | 直接雇用のみ |
建設 | 直接雇用のみ |
造船・舶用工業 | 直接雇用のみ |
自動車整備 | 直接雇用のみ |
航空 | 直接雇用のみ |
宿泊 | 直接雇用のみ |
農業 | 派遣雇用もOK |
漁業 | 派遣雇用もOK |
飲食料品製造業 | 直接雇用のみ |
外食業 | 直接雇用のみ |
※特定技能制度では「フルタイム雇用」しか認められません。特定技能制度における「フルタイム」とは、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上であることを指しています。
特定技能の産業分野が統合で14職種から12職種へ
特定技能制度の産業分野は、2019年の制度スタート時は上記の14職種(業種)でしたが、2022年4月の制度変更で12職種に変更されました。
といっても職種が減った訳ではなく、「素形材産業分野」「産業機械製造業分野」「電気・電子情報関連産業分野」の3つが「製造3分野」という1つの分野に統合されたという経緯です。
特定技能「製造3分野」の業務区分の統合
特定技能の製造3分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)の業務区分は元々19の区分に分かれていましたが、2022年8月から業務区分が統合されて3つの業務区分となりました。3つの業務区分は下記のとおりです。
※以前は鍛造なら鍛造の業務しかできませんでしたが、今後は業務区分内の仕事なら全てできるようになります。
業務区分①:機械金属加工
「機械金属加工」の業務区分では下記の仕事ができます。
• 鋳造
• ダイカスト
• 金属プレス加工
• 工場板金
• 鍛造
• 塗装
• 電気機器組立て
• 機械検査
• 機械保全
• 工業包装
• 鉄工
• 機械加工
• 仕上げ
• プラスチック成形
• 溶接
業務区分②:電気電子機器組立て
「電気電子機器組立て」の業務区分では下記の仕事ができます。
• 機械加工
• 仕上げ
• プラスチック成形
• 電気機器組立て
• 電子機器組立て
• プリント配線板製造
• 機械検査
• 機械保全
• 工業包装
業務区分③:金属表面処理
「金属表面処理」の業務区分では下記の仕事ができます。
• めっき
• アルミニウム陽極酸化処理
特定技能「建設」の業種(業務区分)が拡大
特定技能の建設分野の業務区分は元々19の区分に分かれていましたが、2022年8月から業務区分が統合されて3つの業務区分となりました。さらに、今までは19区分の仕事しかできませんでしたが、今後は建設業に係るすべての仕事ができるようになりました。
業務区分①:土木区分
「土木区分」では「コンクリート圧送・とび・建設機械施工・塗装等」のような仕事ができます。
業務区分②:建築区分
「建築区分」では「建築大工・鉄筋施工・とび・屋根ふき・左官・内装仕上げ・塗装・防水施工等」のような仕事ができます。
業務区分③:ライフライン・設備区分
「ライフライン・設備区分」では「配管・保温保冷・電気通信・電気工事等」のような仕事ができます。
特定技能で外国人にさせてOKな分野別の業務区分
次に、特定技能で働く外国人に行わせてOKな職種(分野)ごとの業務区分をご紹介します。自社で雇用するなら、どんな業務をさせるかイメージしてみてください。
特定技能でさせてOKな業務内容には、「主として従事させなければならない業務」と「従事させてよい関連業務」の2種類があります。
※特定技能で認められる「業務内容」は、職種ごとに今後拡大される可能性があります。(建設分野では2022年8月に業務区分の拡大がありました)。今後も特定技能の職種や業務内容に変更があった場合は、この記事で随時変更情報を更新します。
介護分野
まずは、「介護」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴,食事,排せつの介助等)のほか,これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)
※身体介護等とは、利用者の心身の状況に応じた入浴,食事,排せつ,整容・衣服着脱,移動の介助等をいいます。
※訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は対象としない。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
例1:お知らせ等の掲示物の管理,物品の補充や管理など。
ビルクリーニング分野
まずは、「ビルクリーニング」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
建築物内部の清掃
具体的には、多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に,衛生的環境の保護,美観の維持,安全の確保及び保全の向上を目的として,場所,部位,建材,汚れ等の違いに対し,方法,洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を行い,建築物に存在する環境上の汚染物質を排除し,清潔さを維持する業務です。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。
製造3分野
まずは、特定技能の製造3分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
業務名 | 業務内容 |
---|---|
機械金属加工 | • 鋳造 • ダイカスト • 金属プレス加工 • 工場板金 • 鍛造 • 塗装 • 電気機器組立て • 機械検査 • 機械保全 • 工業包装 • 鉄工 • 機械加工 • 仕上げ • プラスチック成形 • 溶接 |
電気電子機器組立て | • 機械加工 • 仕上げ • プラスチック成形 • 電気機器組立て • 電子機器組立て • プリント配線板製造 • 機械検査 • 機械保全 • 工業包装 |
金属表面処理 | • めっき • アルミニウム陽極酸化処理 |
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:原材料・部品の調達・搬送作業
- 例2:各職種の前後工程作業
- 例3:クレーン・フォークリフト等運転作業
- 例4:清掃・保守管理作業
建設分野
まずは、「建設」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
業務名 | 業務内容 |
---|---|
土木区分 | コンクリート圧送・とび・建設機械施工・塗装等 |
建築区分 | 建築大工・鉄筋施工・とび・屋根ふき・左官・内装仕上げ・塗装・防水施工等 |
ライフライン・設備区分 | 配管・保温保冷・電気通信・電気工事等 |
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。
造船・舶用工業分野
まずは、「造船・舶用工業」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
業務名 | 業務内容 |
---|---|
溶接 | 手溶接,半自動溶接 |
塗装 | 金属塗装作業,噴霧塗装作業 |
鉄工 | 構造物鉄工作業 |
仕上げ | 治工具仕上げ作業,金型仕上げ作業,機械組立仕上げ作業 |
機械加工 | 普通施盤作業,数値制御施盤作業,フライス盤作業,マシニングセンタ作 業 |
電気機器組立て | 回転電気組立て作業,変圧器組立て作業,配電盤・制御盤組立て作業,開閉制御器具組立て作業,回転電気巻線製作作業 |
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 読図作業
- 作業工程管理
- 検査(外観,寸法,材質,強度,非破壊,耐圧気密等)
- 機器・装置・工具の保守管理
- 機器・装置・運搬機の運転
- 資材の材料管理・配置
- 部品・製品の養生
- 足場の組立て・解体
- 廃材処理
- 梱包・出荷
- 資材・部品・製品の運搬
- 入出渠
- 清掃
自動車整備分野
まずは、「自動車整備」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
自動車の日常点検整備,定期点検整備,分解整備
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:整備内容の説明及び関連部品の販売
- 例2:部品番号検索・部内発注作業
- 例3:車枠車体の整備調整作業
- 例4:ナビ・ETC等の電装品の取付作業
- 例5:自動車板金塗装作業
- 例6:洗車作業
- 例7:下廻り塗装作業
- 例8:車内清掃作業
- 例9:構内清掃作業
- 例10:部品等運搬作業
- 例11:設備機器等清掃作業
航空分野
まずは、「航空」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
業務名 | 業務内容 |
---|---|
空港グランドハンドリング(地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務等) | 航空機地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務,手荷物・貨物の航空機搭降載業務,航空機内外の清掃整備業務が対象。 |
航空機整備(機体,装備品等の整備業務等) | 運航整備,機体整備,装備品・原動機整備等において行う航空機の機体,装備品又は部品の整備業務全般が対象。 |
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:事務作業
- 例2:作業場所の整理整頓や清掃
- 例3:積雪時における作業場所の除雪
宿泊分野
まずは、「宿泊」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
宿泊施設におけるフロント,企画・広報,接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務。
※これらの業務に幅広く従事する必要があります。ただし,職場の状況に応じて,例えば,許可された在留期間全体の中の一部の期間においてフロント係に配置されるなど,特定の業務のみに従事することも差し支えありません。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:旅館,ホテルの施設内の土産物等売店における販売業務
- 例2:旅館,ホテルの施設内の備品の点検・交換業務
農業分野
まずは、「農業」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
- 耕種農業全般(栽培管理,農産物の集出荷・選別等)
- 畜産農業全般(飼養管理,畜産物の集出荷・選別等)
※これらの業務に幅広く従事する必要があります。
※栽培管理又は飼養管理の業務が従事する業務に含まれていることが必要です。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)が生産した農畜産物を原料又は材料の一部として使用する製造又は加工の作業。
- 例2:特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)による農畜産物の生産に伴う副産物(稲わら,家畜排泄物等)を原料又は材料の一部として使用する製造又は加工の作業。
- 例3:農畜産物(特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)が生産した農畜産物が含まれる場合に限る。)の運搬,陳列又は販売の作業。
- 例4:農畜産物を原料又は材料として製造され,又は加工された物(特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)が生産した農畜産物を原料又は材料の一部として使用し,製造され,又は加工された物が含まれる場合に限る。)の運搬,陳列又は販売の作業。
- 例5:農畜産物の生産に伴う副産物を原料又は材料として製造され,又は加工された物(特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)による農畜産物の生産に伴う副産物を原料又は材料の一部として使用し,製造され,又は加工された物(たい肥等の肥料,飼料等)が含まれる場合に限る。)の運搬,陳列又は販売の作業。
- 例6:その他特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)で耕種農業又は畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業(畜産農業と耕種農業を複合経営している特定技能所属機関(労働者派遣形態の場合は派遣先事業者)において畜産農業の技能を有する特定技能外国人が耕種農業の作業に従事する場合,冬場の除雪作業に従事する場合等)
漁業分野
まずは、「漁業」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
- 漁業(漁具の製作・補修,水産動植物の探索,漁具・漁労機械の操作,水産動植物の採捕,漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等)
- 養殖業(養殖資材の製作・補修・管理,養殖水産動植物の育成管理,養殖水産動植物の収獲(穫)・処理,安全衛生の確保等)
※外国人は,漁業又は養殖業を主体的に営むものでなく,船長や漁労長等の監督者の指示を理解し,又は監督者の包括的な指示の下で自ら判断しながら,漁労作業や養殖作業の業務に従事する必要があります。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
【漁業の業務に従事している場合の関連業務】
- 漁具・漁労機械の点検・換装
- 船体の補修・清掃
- 魚倉,漁具保管庫,番屋の清掃
- 漁船への餌,氷,燃油,食材,日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
- 出漁に係る炊事・賄い
- 採捕した水産動植物の生簀における畜養その他付随的な養殖
- 自家生産物の運搬・陳列・販売
- 自家生産物又は当該生産に伴う副産物を原料又は材料の一部として使用する製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
- 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
- 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
- 社内外における研修
【養殖業の業務に従事している場合の関連業務】
- 漁具・漁労機械の点検・換装
- 船体の補修・清掃
- 魚倉,漁具保管庫・番屋の清掃
- 漁船への餌,氷,燃油,食材,日用品その他の操業・生活資材の仕込・積込み
- 養殖用の機械・設備・器工具等の清掃・消毒・管理・保守
- 鳥獣に対する駆除,追払,防護ネット・テグス張り等の養殖場における食害防止
- 養殖水産動植物の餌となる水産動植物や養殖用稚魚の採捕その他付随的な漁業
- 自家生産物の運搬・陳列・販売
- 自家生産物又は当該生産に伴う副産物を原料又は材料の一部として使用する製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
- 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
- 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
- 社内外における研修
飲食料品製造業分野
まずは、「飲食料品製造業」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工,安全衛生)
製造・加工とは、「原料の処理,加熱,殺菌,成形,乾燥等の一連の生産行為等」を指します。
安全衛生とは、「使用する機械に係る安全確認,作業者の衛生管理等,業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務」を指します。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:原料の調達・受入れ
- 例2:製品の納品
- 例3:清掃
- 例4:事業所の管理の作業
外食業分野
まずは、「外食業」分野のメイン業務区分(主として従事させなければならない業務)です。
外食業全般(飲食物調理・接客・店舗管理)
飲食物調理とは、「客に提供する飲食料品の調理,調製,製造を行うもの(例:食材仕込み,加熱調理,非加熱調理,調味,盛付け,飲食料品の調製等)」を指します。
接客とは、「客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの(例:席への案内,メニュー提案,注文伺い,配膳,下膳,カトラリーセッティング,代金受取り,商品セッティング,商品の受け渡し,食器・容器等の回収,予約受付,客席のセッティング,苦情等への対応,給食事業所における提供先との連絡・調整等)」を指します。
店舗管理とは、「店舗の運営に必要となる上記2業務以外のもの(例:店舗内の衛生管理全般,従業員のシフト管理,求人・雇用に関する事務,従業員の指導・研修に関する事務,予約客情報・顧客情報の管理,レジ・券売機管理,会計事務管理,社内本部・取引事業者・行政等との連絡調整,各種機器・設備のメンテナンス,食材・消耗品・備品の補充,発注,検品又は数量管理,メニューの企画・開発,メニューブック・POP 広告等の作成,宣伝・広告の企画,店舗内外・全体の環境整備,店内オペレーションの改善,作業マニュアルの作成・改訂等)」を指します。
※これらの業務に幅広く従事する必要があります。ただし,職場の状況に応じて,例えば,許可された在留期間全体の一部の期間において調理担当に配置されるなど,特定の業務にのみ従事することも差し支えありません。
次に、外国人にさせてOKな関連業務です。
「当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務」は外国人にさせてOKです。具体的な関連業務には次のような業務があります。
- 例1:店舗において原材料として使用する農林水産物の生産
- 例2:客に提供する調理品等以外の物品の販売
特定技能の職種(業種)ごとに確認が必要な情報
ここまで解説した職種(業種)ごとの雇用形態や業務内容の他に、特定技能制度では以下のような内容も職種ごとの違いがあります。
特定技能の職種(業種)別の雇える上限人数
特定技能の「介護」と「建設」では、雇用する会社等の常勤職員数を基準に「雇用できる特定技能外国人の数」が決まっています。その他の職種では雇用人数の上限はありません。
介護分野では「1号特定技能外国人を受け入れる事業所において、1号特定技能外国人の数が当該事業所の日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこと」となっています。
建設分野では「1号特定技能外国人の総数と外国人建設就労者の総数の合計が、常勤の職員の総数を超えないこと」となっています。
外国人に受験させる試験日程
特定技能の在留資格を取りたい外国人は、就職を希望する会社の職種に合わせた特定技能試験に合格する必要があります。この特定技能試験は、職種ごとに別々の試験が設けられています。
また、同じ職種内でも業務内容ごとに試験が分かれている職種もあります。例えば、建設分野・素形材産業分野・産業機械製造業分野・電気・電子情報関連産業分野・航空分野・農業分野・漁業分野などです。
業種ごとの特定技能の試験情報や、特定技能の試験が免除になる技能実習の作業名などをまとめた下記の記事も必要であれば併せてご覧ください。
≫2023年の特定技能の試験日程や問題※試験免除の条件や海外情報も紹介
特定技能の職種ごとの条件
この「職種ごとの条件」はかなり重要です。
特定技能制度では外国人を雇用する会社(個人事業主も含む)に、「職種別の要件」と「職種共通の要件」の2種類の条件を規定しています。
特定技能外国人を雇用しようとした場合、この2種類の条件全てをクリアしている必要があります。詳しくは下記の記事で詳しく解説しています。
≫特定技能の所属機関(受入機関)の要件や申請の必要書類、届出義務は?
まとめ
特定技能制度の対象職種と、職種ごとの業務内容を解説してきましたが、自社で特定技能外国人を雇用するイメージがわきましたか。
特定技能制度はかなり複雑ですが、内容をある程度は理解する必要があります。なぜなら、上記で説明したような外国人にさせてOKな業務などを理解していないと、雇用している外国人に不法就労をさせたということになり、会社が罰則を受けるなどのリスクがあるからです。
とはいえ、一から勉強するにしても大変です。どこから勉強していいか分からないと感じている方も多いハズです。そんな「手っ取り早く特定技能制度の全体像を理解したい方」向けに、特定技能の全体像を下記の記事でわかりやすく解説していますので、よろしければご覧ください。