在留資格の理由書を作成する時の書き方は、在留資格の種類によって違います。また、在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請によっても書き方やポイントが違います。
この記事では、理由書の書き方や注意すべきポイントの「基本情報」を説明します。
理由書とは
理由書とは、在留資格の各種申請の際に添付する説明書のようなものです。
「自分が希望している在留資格がなぜ必要なのか」や、「在留資格の許可条件に自分が当てはまること」などを入管の審査官にわかりやすく説明する書類です。
理由書は必要なのか?
在留資格の各種申請では、「理由書」は必ず必要な書類ではありません。(※永住許可の一部などでは理由書が必要な申請もあります)
なぜなら、在留資格にはそれぞれ提出書類があり、申請した人が在留資格の条件に当てはまるかは提出書類で基本的には確認ができるからです。
しかし、中には提出書類だけでは分からない情報もあります。ですから、実務上は理由書を付けて申請する場合がほとんどです。理由書を付けて申請するメリットには以下のようなものがあります。
在留資格別の具体的な書き方
この記事は理由書の基本知識を解説していますが、在留資格別の具体的な書き方については下記リンクを参考にしてください。
技術・人文知識・国際業務
エンジニア・通訳・デザイナー・私企業の語学教師・マーケティング業務等を行うことができる在留資格です。技術・人文知識・国際業務の理由書の具体的な内容は下記記事を参考にしてください。
経営・管理
外国人が日本で起業したり、既に日本にある会社の経営者に就任する際に取得する在留資格です。経営・管理の理由書の具体的な内容は下記記事を参考にしてください。
高度人材(高度専門職)
ポイント制による高度人材に該当する外国人が取得できる在留資格です。高度人材(高度専門職)の理由書の具体的な内容は下記記事を参考にしてください。
企業内転勤
外国の事業所から日本に転勤する外国人が取得する在留資格です。企業内転勤の理由書の具体的な内容は下記記事を参考にしてください。
永住許可
日本で永住したい外国人が取得する在留資格です。永住許可の理由書の具体的な内容は下記記事を参考にしてください。
理由書には何を書くのか?
理由書を書く際には、以下のポイントを意識して理由書を作成してください。
在留資格該当性
在留資格は30種類以上ありますが、それぞれの在留資格には「行える活動」が決められています。申請しようとしている在留資格で決められている「活動内容」と、これから外国人の方が実際に行おうとする「活動内容」が一致する必要があります。
【就労系の在留資格】
就労系の在留資格を申請する場合、理由書には勤務予定の会社での業務内容を具体的に書きます。この時、会社で行う業務内容が、申請する在留資格に規定されている活動内容と一致するように注意してください。
【身分系の在留資格】
身分系の在留資格を申請する場合、その身分に至った経緯を、具体的に詳しく書きます。例えば「日本人の配偶者等」の在留資格の場合、2人の出会いから結婚までの経緯を、順番に具体的に書いていきます。
基準適合性
在留資格の許可を得るための一定の基準(条件)を定めた省令があります。この基準(条件)に申請する外国人の方が当てはまることを基準適合性といいます。もちろん基準(条件)に当てはまらない場合は不許可となります。
在留資格によって、この基準(条件)が「ある」在留資格と、基準(条件)が「ない」在留資格に分かれています。
【就労系の在留資格】
基準(条件)は在留資格により異なりますが、給料(報酬要件)・卒業した大学と卒業年度(学歴要件)・実務経験年数などを書きます。
【身分系の在留資格】
身分系の在留資格である、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者には、ここでいう「基準省令」はありません。
安定性・継続性
外国人が「過去及び将来にわたり」、安定かつ継続して日本に在留できるかが問われます。例えば、赤字続きの会社に安い給料で外国人の方が就職するとして、給料の未払いや、妥当ではない給料額では安定した生活を継続することはできません。
【就労系の在留資格】
勤務する会社の規模(資本金や従業員数、売上高や事業内容など)を書きます。
【身分系の在留資格】
日本人の配偶者の職業や収入などの経済面について書きます。
雇用の経緯・必要性
これは就労系の在留資格に該当します。外国人の方を雇用するまでの経緯や、企業としての今後の展望に必要な人材であること、日本でないと修得できない技術であることなどを書きます。
理由書の枚数は?
理由書の枚数は、A4用紙に1~2枚程度で十分です。枚数ではなく、入管の審査官が知りたいことを簡潔に書くことが大切です。