【永住ビザ申請】身元保証人の頼み方と頼まれた時の責任範囲は?

こんな疑問に答えます。

  • 永住ビザの身元保証人は誰に頼めばいいの?
  • 断られない頼み方を知りたい。
  • 身元保証人になってほしいと頼まれたけど、どんな責任があるの?

永住ビザの身元保証人を職場の社長に頼んだら断られてしまったというケースはよくあります。日本人は「保証人」という言葉を聞くと身構えてしまい、上手に説明しないとなかなか身元保証人になることをOKしてもらえません。

そこでこの記事では、永住ビザの身元保証人の頼み方から身元保証人の責任範囲やリスクについて詳しく解説します。また、身元保証人になれる人の条件や必要書類も併せて解説しています。

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永住ビザ申請の身元保証人は誰に頼む?

永住ビザ申請の身元保証人を誰に頼むかは、今持っている在留資格で以下のように違います。

今が「配偶者ビザ」の人

今もっている在留資格が「日本人の配偶者」や「永住者の配偶者」の人は、配偶者(結婚しているパートナー)に身元保証人になってもらいます。

それ以外のビザの人

今持っている在留資格が上記以外の人は、「友人・知人・会社の社長等」で「日本人か永住者の人」に身元保証人になってもらいます。

身元保証人になれる人の条件

身元保証人になれる人の条件は以下の通りです。

  1. 仕事(経営も含む)をしていること。
  2. 安定した収入があること。
  3. 住民税を納税していること。

ただし、配偶者ビザから永住ビザへ変更の場合で、申請人本人の収入で生活をしている場合は、身元保証人(パートナー)が仕事をしていなくてもOKです。

「安定した収入があること」の具体的な金額ですが、年収300万円以上が現状での目安になります。

永住ビザを取得するための条件やメリットについては以下の記事で解説しています。

日本の永住権を取得する条件やメリット【わかりやすい完全ガイド】

永住ビザの身元保証人の責任範囲

永住ビザの身元保証人の責任範囲やリスクについては以下の通りです。

身元保証人の責任範囲

上記画像の「身元保証書」にあるとおり、身元保証人は「滞在費・帰国旅費・法令遵守」について保証します。

しかし、この「保証」には法的な義務はありません。

同じ「保証」でも、お金や家を借りる時の「連帯保証人」のように、本人の代わりに債務を肩代わりしなければならないという法的な責任は永住ビザの身元保証人にはありません。

滞在費

滞在費は、永住ビザの申請人が日本で滞在するために必要な費用全般を指します。

とはいえ、仮に永住ビザの申請人が賃貸マンションの家賃を滞納したからといって、身元保証人に支払い義務が発生する訳ではありません。

帰国旅費

帰国旅費は、永住ビザの申請人が本国へ帰国するために必要な費用全般を指します。

とはいえ、仮に永住ビザの申請人が飛行機代を持っていなくても、身元保証人に立て替え義務が発生する訳ではありません。

法令の遵守

法令の遵守は、永住ビザの申請人が日本で滞在するにあたり、法律等を守って生活することを指します。

とはいえ、仮に永住ビザの申請人が信号無視で事故を起こしても、身元保証人が本人と連帯して損害賠償債務を負う訳ではありません。

永住ビザの身元保証人になるリスク

上記で説明したように、永住ビザ申請における身元保証人に法的な責任はなく、「永住ビザの申請人が困っていれば善意で助けてあげる」程度の道義的な責任しかないと解釈されています。

ですから、永住ビザの身元保証人になるリスクはほぼ無いと言えます。しいてあげるなら、身元保証人になってあげた外国人が何か問題を起こした場合、「今後は永住ビザの身元保証人になることができない可能性がある」程度です。

とはいえ、身元保証人になったからには、その外国人が日本でルールを守って良い生活が送れるように可能な限り手助けしてあげることは大切です。

身元保証人を頼む時のコツ

特に「日本人」に身元保証人になってくれと頼む場合は要注意です。

日本にはお金や家を借りる時に「連帯保証人」という仕組みがあります。この連帯保証人には、お金や家を借りる「本人と同じ責任」があります。ですから、本人がお金を返さなかったり家賃を払わなかった場合、連帯保証人が支払いをする必要があります。

ですから、日本人は「保証人」と聞くと「大きな責任がありそう・・・」と身構えてしまうのです。

この記事を参考に、「永住ビザの身元保証人の責任範囲は大きくないこと」や、用意する書類も市役所に1回行けば手に入ることを伝えてください。

また、申請を行政書士に頼むのであれば、行政書士から電話をしてもらうというのも1つの有効的な方法です。

身元保証人を頼まれた場合

永住ビザの身元保証人には、上記で解説したように法的な責任は発生しません。

また、身元保証人として用意する書類も、以下の通りそこまで用意が大変なものでもありません。

  1. 会社の在職証明書(※注1)
  2. 所得証明書(※注2)
  3. 住民票1通

※注1:自営業者等の人は、在職証明書の代わりに「確定申告書控えの写し」と「営業許可書の写し(ある場合)」を用意。

※注2:所得証明書は、「直近1年分の住民税の課税証明書」と「納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)」を用意。市役所や区役所で取得できます。

身元保証人の責任範囲や用意する書類の数から、身元保証人になることの負担はそこまで大きなものでないと言えます。

友人や部下の外国人から永住ビザの身元保証人になってほしいと頼まれた場合は、この記事の内容を踏まえて検討してください。

まとめ

永住ビザの身元保証人を頼む場合は、借金などの連帯保証人とは責任の程度が全然違う点を上手に伝えましょう。自分で難しければ、申請を依頼する行政書士に間に入ってもらうのも一つの方法です。

身元保証人を外国人から頼まれた場合は、法的責任は無くリスクもほぼありませんので、縁のある方にお願いされた場合は前向きに検討してあげてください。

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