ここでは、特定技能で外国人を雇用できる建設業の「屋根ふき作業」に注目して、業務内容の詳細や、想定される関連業務・使用する主な機械などを解説します。
「屋根ふき作業」の業務の定義
指導者の指示・監督を受けながら、下葺き材の施工や瓦等の材料を用いて屋根を葺く作業に従事
「屋根ふき作業」の主な業務内容
(1)屋根ふきの段取り
①瓦、化粧スレート等の選定
②現場寸法取り
③瓦、化粧スレート等の割付け
④下葺き材、桟木の施工(化粧スレート等は特殊工法のみ)の施工
(2)屋根ふき
1.瓦
①瓦合せ(一文字、刻み袖及び特殊がわらを除く)
②瓦ぶき用の土の練合せ
③瓦のふき上げ(緊結を含む)(本ぶき及び特殊がわらによる工法を除く)
④瓦ふき作業に伴う樹脂接着
2.化粧スレート等
①各所水切、化粧スレート屋根材等の取り付け
②化粧スレート屋根材等の取り付けに伴う樹脂接着剤、熱絶縁
③換気棟等の施工
④屋根の補修
想定される関連業務
①屋根ふき作業に伴う足場等の組立て・解体作業
②屋根左官作業
③移動式クレーン運転作業
④玉掛け作業
⑤高所作業車運転作業
⑥作業用機材の搬送作業
⑦作業用機材の梱包・出荷作業
⑧その他、屋根ふき業務の実施に必要となる安全衛生作業(点検、整理整頓、清掃等)
使用する主な素材・材料
①素材
粘土瓦(JISA5208に規定されている瓦)、厚形スレート(JISA5402に規定されている瓦)、化粧スレート、鋼板(メッキ鋼板、塗膜装鋼板等)、非鉄金属(銅板、アルミ合金板等)
②材料
桟瓦用桟木、瓦座、淀、棟補強用芯材、桟木、木下地用留付け材、耐火野地用留付け材(ねじ等)、ALCパネル用留め付け材(専用釘、プラグ等)、コンクリート、モルタル下地の場合の留め付け材(アンカボルト、コンクリートピン、コンクリート釘等) 、屋根材緊結用釘、屋根材緊結線、屋根材補強用釘・ねじ等、下葺き材、葺き土(窯業系瓦)、南蛮漆喰(なんばんしっくい:砂、石灰、つのまたのりを混練したもの) 、モルタル、接着剤、シーリング剤、板金(水切りとして使用する金属板等)
使用する主な機械・設備・工具等
①各種手工具類
金づち、たがね、差し金、こて(鏝) 、のこぎり、水糸、水準器、小刀(カッタ)、釘袋、自在定規、スコップ、押切り
②機械、設備等
切断機、電気ドリル、エア・タッカ、電動タッカ、インパクトドリル、インパクトドライバ、釘打機、リフト、瓦揚げ機、梯子、高所作業車、高速砥石切断機、フォークリフト、コンクリートドリル、移動式クレーン、玉掛け用具
まとめ
特定技能で雇用できる建設業の業務区分は11種類あります。ここでは「屋根ふき作業」に注目して解説してきました。
特定技能の中でも建設業は制度が複雑です。正しい制度理解に本記事をお役立ていただければ幸いです。